「第92回 エクリン汗のう腫・汗管腫」 2019年8月09日付 「リビング多摩 」に掲載されました
- 2019年12月13日
- 一般皮膚科
目のまわりのポツポツが軟膏では治りません
エクリン汗のう腫または汗管腫の可能性が
夏になると目の周り、 特に目の下を中心にポツ ポツとした発疹が増える ことがあります。この「エ クリン汗のう腫」と、そ れに似た症状の「汗管腫」 について、日本皮膚科学 会認定皮膚科専門医で、 立川皮膚科クリニック院 長の伊東秀記先生に聞き ました。
―症状は?
「“エクリン汗のう腫”は、肌と同じ色の米粒大 のポツポツで、皮膚の真皮内にある汗腺の一つ、 エクリン腺の汗管が拡張して袋状ののう腫を作るものです。 40 代以上に多く、発汗量の増える6~ 9月の時期に悪化し、秋 になると軽減する特徴があります。似たような症状にエクリン腺の汗管が 増殖して発症する“汗管腫”があります。こちら は季節に関係なく一年を通して発症します」
―治療法は?
「“エクリン腺汗のう腫”の場合、悪化する夏の時期に、発汗量を抑える外用薬を処方します。 “汗管腫”の場合は、真皮内に病変があるため、表皮に薬を塗っても効果はありません。いずれも良性腫瘍のため、すぐに治療の必要はありませんが、年齢とともに数が増 えたり大きくなることが あります。治療を希望する場合は除去手術を行います。いずれの腫瘍にしても、正しい診断が第一となるため、まずは皮膚科の医師に相談をしてく ださい」